英語のおすすめ多読本10選と選び方。グレーデッド・リーダーをレベル別で紹介!

ペンギンリーダー洋書おすすめのサムネ

今回は、多読におすすめの本トップ10と、多読のコツをご説明します。

多読の目的

多読の目的は、「楽しく読む」事を通して付随的に英語力を向上させる事です。

そのため、英語を学ぼうと力むのではなく、力を抜いて簡単且つ面白い多読本を選びましょう。

多読におすすめのグレーデッド・リーダーとは?

グレーデッド・リーダー(graded readers)とは、外国語学習者向けに、語彙のレベルを調節した読み物の事です。

例えば、シャーロックホームズの推理小説を中学英語だけで読む事が出来るのです。

ペンギンリーダーズのラインナップ

ピアソンリーダーズ(旧ペンギンリーダーズ)というシリーズが有名で、7段階のレベルを明確に提示している所や種類の多さが魅力です。

ピアソンリーダーズのレベル表

ペンギンリーダーズのレベル分け
下から上にレベルが上がっていき、6が最も難しいです。

括弧内の~wordsが、その本で使われているおおよその主要単語の数です。

オリジナル版から語彙のレベルも調整されているので、本来は難しい本でも楽しめます。

ピアソンリーダーズのレベルの選び方

それぞれのレベルがどれくらいなのかを、英検とTOEICを参考にして下さい。

一番簡単なEasystartsというレベルを0、一番難しいAdvancedを6とします。

6 : 英検準1級・TOEIC785

5 : 英検2級・TOEIC550

4 : 英検2級・TOEIC550

3 : 英検準2級・TOEIC225

2 : 英検準2級・TOEIC225

1 : 英検3級・TOEIC120

0 : 英検3級・TOEIC120

<参考:ピアソン(旧ペンギン)リーダーズ公式>

多読のコツ・英語の多読本の選び方

多読のコツは2つです。

1、難しかったらすぐ本を変える

もし先述の表などを元に選んでみても語彙が難しすぎる場合には、より簡単な物に変えると良いでしょう。

具体的には、意味を知らない語彙は1ページに3語彙までが多読に丁度良い量です。

多読の目的は語彙を勉強する事ではなく、楽しく読み進めた結果、付随的に英語力を向上させる事です。

よって、語彙が難しくて辞書で調べなくては内容を理解出来ないようでは多読に向いているとは言えません。

※語彙には、単語だけでなく熟語もあるため「単語」とは区別し「語彙」と呼びます。

2、つまらなかったらすぐ本を変える

多読は、外国語習得の研究分野においてextensive readingと文字通り言われると同時に、pleasure reading(楽しいリーディング)とも呼ばれています。

英語を学習しよう、英語力を上げようとして読むのではなく、「楽しいからいつの間にかたくさん読んでいた」というのが理想的な多読です。

そのため、つまらなかったら興味のある他の多読本に変えましょう。

もしも読む事自体をどうしても楽しめないのであれば、多読が合っていないため、他の学習方法を選ぶ方が効果的です。

【レベル別】英語おすすめ多読本

ピアソンリーダーズから、おすすめ多読本10冊を発表します。

公式が発表しているレベル感ではなく、実際に読んでどれくらいのレベルだったかを元に書くので参考にして下さい!

英語初心者・TOEIC300未満の方へ

英語を1から勉強し直したいという方には、これら2冊がオススメです。

①アリスインワンダーランド

レベル:2 (elementary)

「不思議の国のアリス」です。

原作ベースなので最近の実写映画とは少し話が違う部分もありますが、キャラクターや基本設定はそのままです。

使われている語彙は中学で習う簡単な物が95%です。

物語をなんとなく聞いた事がある人が多いと思うので、最初の1冊としてはかなりオススメです。

②アーサー王と円卓の騎士

レベル:2 (elementary)

数多くの冒険物語・勇者の話の元となっている、イギリスの古くからの伝説のお話です。

映画やゲーム・アニメが好きならこの本は避けては通れないと言って良いほど有名なお話なので、コンテンツそのものに価値があります。

読みやすくAmazonでの評判も良いようです。

初心者の方でもほとんど辞書をひくことなく楽しめるので、ぜひご一読ください。

TOEIC300~495の方への2冊

レベル感的には、「中学英語の理屈はなんとなく分かるけど話すのは無理」な方へのオススメです。

①フォレストガンプ


レベル:3 (pre-intermediate)

トムハンクス主演で大ヒットした映画、フォレストガンプをベースにした物です。

読む事が嫌いな人でも、映画を見た後に読めば、景色が頭に思い浮かぶので、簡単に読む進められます。

物語自体の質が高く、トムハンクスがアカデミー賞主演男優賞を受賞したものなので、映画を見てから読むのも手ですね。

②シャーロックホームズの帰還


レベル:3 (pre-intermediate)

ミステリー好きなら誰もが知っているシリーズですが、オリジナルがかなり難しいので、読みやすくしてくれていて有り難いです。

死んだと思われていたシャーロックが帰還し、ワトソンと再会した後のお話です。

これ1冊で3つの事件を収録している短編ものなので、長編が苦手な人にオススメです。

TOEIC500~695の方への2冊

レベル感的には、「ゆっくりなら話せるけど速い英語は聞き取れない」方へのオススメです。

①フル・モンティ


レベル:4 (intermediate)

映画にもブロードウェイミュージカルにもされた、物議を醸す物語です。

失業した主人公が、男性ストリッパーになるハートフルコメディで、読み始めるとすぐに世界に入り込みます。

例えばグレイテストショーマンが好きなら楽しめるかと思います。

レベル的にも、TOEIC500以上で初めて多読をする人にはぴったりなのでぜひご一読あれ。

②華麗なるギャッツビー


レベル:5 (upper-intermediate)

レオナルドディカプリオ主演で映画化された事でさらに有名になりましたが、元々はアメリカでトップ10に入るレベルで有名な小説です。

あまりに深い作品すぎて、安っぽいあらすじを書きたくないので、読んでくださいとしか言えません。

TOEIC500以上で、英語力を本当に伸ばしたいなら絶対に今すぐ読むべき良い多読本です。

アメリカ文学の最高峰を、分かりやすい表現で楽しむ事が出来るなんて、素晴らしい世の中だなと思います。

TOEIC700~895の方への2冊

レベル感的には、「割と英語に自信あって会話もそこそこ出来るけど語彙力が弱い」方へのオススメです。

①レ・ミゼラブル


レベル:6 (upper-intermediate)

名前を聞いた事が無い人はいないと思えるほどの、有名なフランス革命を元にした物語です。

ミュージカルや映画も大人気で、楽曲は聞けば分かる方が多いかと多います。

少し古いイギリス英語で書かれているので、普段とは違う表現も学べます。

もちろん9割りはアメリカでも今でも使う表現なので、英語や昔の物語が好きという方全員にオススメです。

②すばらしい新世界


レベル:6 (upper-intermediate)

知る人ぞ知るSF小説です。

かなりオススメなので、少し設定を説明します。

2049年に壊滅的な戦争が起こった事で、圧倒的な”安定”だけを追い求めている新世界のお話。

例えば全人類に衣服や食糧が死ぬまで与えられ、不快になった時は薬で脳を騙して幸福感を感じる。

人類は人工的に”製造”され、世界に疑問を覚えないように生まれる前に洗脳がされている。

ざっくり言うとそんな社会に馴染めない主人公が色々と頑張るお話で、2ページ目から一瞬で引き込まれます。

楽しく英語の勉強が出来るのでSFが好きならぜひ読んでください。

※こちらもイギリス英語ですが読んでみた所、アメリカ英語だけを学んでいた私でも理解出来ない単語はありませんでした。

TOEIC900以上の方への2冊

このレベルであれば、英語はある程度自由に話せて、英語の記事も普通に読めていると思います。

なので、レベルを下げていないオリジナルのままの洋書から2冊おすすめを紹介します。

①ハリーポッターと呪いの子

ハリーポッターの映画のその後、子供達世代が活躍する物語です。

もちろんハリーも登場しますので、ハリーポッターの世界観が好きだったり、ヴォルデモートを倒した後の物語に興味がある人はぜひ読んで欲しいです。

ただ、舞台のスクリプトなので小説とは違い、「人物名・セリフ」の流れで進みます。

ペンギンリーダーズ以外のオススメ・ハリー1

サイズはこれくらい大きいのでKindleにしても良いかもしれません。

ペンギンリーダーズ以外のオススメ・ハリー2

しかし本当に面白い上、英検1級や英語で仕事を使う場合には必要な単語が出てくるので、ぜひ勉強に使って欲しいです。

②トム・ソーヤーの冒険

一番有名と言って良いアメリカ文学で、冒険物が好きなら確実にハマります。

ディズニーランドのトムソーヤ島は、この物語が元になっています。

ちなみに作者のマーク・トウェインが、ディズニーランドの船、マーク・トウェイン号の名前の由来です。

あの、ウォルト・ディズニーが最も好きな物語の1つであったらしく、それ故トムソーヤ島とマーク・トウェイン号が、唯一彼自身が設計したアトラクションらしいです。

ディズニーの生みの親にそこまで愛される美しい世界観を、ぜひ英語力を活かして楽しんで欲しいです。

英語多読本の選び方のコツまとめ

多読の時は、知らない単語があってもいちいち調べず、前後の文脈から意味を推測して読み進めます。

そのため、あまりにも多くの知らない語彙があると、読む練習になりません。

逆に、程よい量知らない語彙がある方が、文脈から推測する力が身につきます。

よって自分で本屋で選ぶ場合、1ページ内に知らない単語が2、3個のレベルの物を買うのがオススメです。

多読を活かすには

多読を頑張っても、本で出会った英語を使えるように練習しなければ、すぐ忘れてしまい勿体無いです。

実践に活かすためには、下記の流れが1つの戦略です。

  1. 辞書はなるべく使わず多読を楽しむ。
  2. 読み終わってから気になった英語を確認。
  3. 英語を実際に使い、間違えたら修正。