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Taiga
英語講師 / 青学 英米文学科⇨立教 異コミュ研究科 / 研究分野: 外国語語彙習得 / TOEIC975・英検1級・TOEFL iBT 104
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NationとWebb(2011)によるテクニック・フィーチャー・アナリシスでは、効果的な語彙学習活動の基準として検索練習が含まれています。検索練習とは、必要な情報を記憶から引き出すことを指します。語彙学習での検索練習では、語彙の意味や形態を思い出したり、正しい物を選んだりする必要があります。一方で、学習者にとっては新しい語彙に慣れる段階であるプレゼンテーションも必要です。例えば英語学習者が犬とdogのペアを見るなど、プレゼンテーションでは学習者が形態と意味を同時に見ることができます。
検索練習はプレゼンテーションよりも学習効果が高く記憶を保持する一方で(Barcroft, 2007; Karpicke & Roediger, 2008)、プレゼンテーションは新たな語彙を知る第一歩として重要です(Barcroft, 2012; Nation, 2022)。誤った答えを引き出すと誤った知識が確立してしまう可能性があるため、プレゼンテーションは学習において重要な役割を果たします(Strong & Boers, 2019)。例えば、選択問題での検索練習が失敗すると、間違った知識が形成される可能性があるという研究結果があります(Marsh et al., 2007; Roediger & Marsh, 2005)。プレゼンテーションは、学習者が検索練習を行う前に目標とする語彙に慣れることができるため、検索練習が失敗するリスクを減らす可能性があります。したがって、単語帳アプリでは、プレゼンテーションモードと検索練習モードの両方を利用できるようにすべきです。