単語帳アプリ分析基準11:練習の難易度を徐々に上げるか、または学習者自身がそのように出来るか?

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Taiga

英語講師 / 青学 英米文学科⇨立教 異コミュ研究科 / 研究分野: 外国語語彙習得 / TOEIC975・英検1級・TOEFL iBT 104

単語帳アプリは2つの理由から、練習の難易度を段階的に上げるべきです。まず1つ目は、「検索努力仮説」が示すように、困難な検索練習ほど学習は効果的だということです(Bjork, 1999; Pyc & Rawson, 2009)。アプリは、難しいエクササイズを提供することで困難な検索練習の機会を提供できます。一方2つ目に、最初から難しすぎる事にもリスクがあります。検索練習のメリットの1つは、記憶から正解へのルートを強化することです。不正確な答えを取り出すことは逆効果で、間違った記憶のルートを強化する可能性があります。例えば、選択肢問題で間違った選択肢を選ぶことが、誤った知識を生み出すことが研究で示されています(Marsh et al., 2007; Roediger & Marsh, 2005)。難しすぎるタスクから始めると、誤答するリスクが高まる可能性があります。また、初めから困難な練習に直面すると、嫌になってモチベーションを低下させる可能性があります。これらの観点から、単語帳アプリは学習者が初期段階では簡単な練習に取り組み、後の段階でより難易度の高いトレーニングに進むことを可能にすべきです。

1つの方法は、学習者に段階的に難易度の高い検索練習に挑戦させることです。Laufer and Goldstein(2004)によると、産出は受容よりも困難で、再生は再認よりも難しいです。したがって、単語帳アプリは受容のエクササイズの後に産出的な練習を提供したり、再認の後に再生を提供することで、練習の難易度を徐々に上げることができます。

元の記事:単語帳アプリおすすめランキングTOP6|違いや特徴を修士研究を元に発表