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英語講師Taigaです。
今回は英単語の効果的、効率的な学習方法を解説します。
英単語は最重要。避けては通れない壁
まず前提として、英単語学習をサボって英語力を伸ばす事は不可能です。
これを分かりやすく説明するため、文法と単語力どちらが重要かを示す、ヤングという学者の挙げた例を紹介します。
「私の上司は私をいつもフォローしてくれる。」をMy boss always follows me.と言ってしまうと「私の上司はいつも私の後をつけてくる。」というストーカーのような文になってしまいます。
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一方でMy boss is always follow me.のような文法的に明らかに間違っている文を言ってしまったとしても、文法を正した形であるMy boss always follows me.から大きく意味を変える事はありません。
これは、文法よりも語彙力の方が重要である事を物語っています。
また、仮に高いリスニング力や読解力があったとしても、英単語を知らなければ、聞いた言葉や読んだ文章を理解出来ません。
つまり、十分な英単語力が無いとスタートラインにすら立てていないといっても過言ではないのです。
2つの科学的な単語学習ノウハウ
具体的な単語学習の手順を説明する前に、その学習方法の基盤となっている2つの重要な学説を紹介します。
①テスト効果
記憶は学習ではなく、テスト(答えが見えない時に思い出そうとする行為)によって強くなる事が分かっています。
つまり英単語学習では、英語とその意味を同時に眺めているだけでは記憶が強化されません。
答えを隠して頑張って正解を思い出そうとする時に記憶が強化されます。
②分散効果
一気に続けて学習するよりも、間隔を空けて学習した方が長期記憶に結びつく事が分かっています。
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記憶というのは忘れそうなギリギリで正しく思い出す事で強化されます。
そのため、練習の際は思い出しやすい方法ではなく、思い出しづらい方法で負荷をかける必要があるのです。
英単語学習の具体的な手順、実施方法
ではそれらの科学的に立証されている学説をどう単語学習に活かすかを説明します。
ここでは分かりやすくするために下記のような市販の単語帳を使っていると仮定します。
手順① 単語学習の方向を決める。
単語学習には、receptive(受容的)な学習とproductive(生産的)な学習の2方向があります。
日本人の英語学習の場合、前者が英語を日本語にする学習、後者が日本語を英語にする学習です。
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しかし資格のリーディング対策などであれば、英語を読んで意味が理解できれば良いため英語→日本語で良いという訳です。
まずは自分がどの目的で単語学習を行うのかを決め、それに基づき学習の方向を決めて下さい。
特に目的が無い場合はまずはreceptive(英⇨日)で覚え、それが出来たらproductive(日→英)でも覚えられるようにしていきましょう。
手順② 1日に学習する単語数を決める
いつまでに何単語覚えたいのかを決め、そこから逆算して1日に覚えるべき単語数を割り出して下さい。
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もしもご自分で決めるのが面倒な場合は、私のレッスンにて一緒に戦略を練っていただく事も可能です。
手順③ 1日目は②で決めた数を学習する
まずは新たな単語を自分の決めたペースで学習します。
学習する時には一度英語と日本語を同時に見て、その後は学びたい方を隠して答えを思い出せるか確認しましょう。
(例えば資格のリーディング対策で英語→日本語の方向性で読みたい場合は日本語を隠すという事です。)
そして答えを見ずに思い出せるようになったら次の単語に進みます。
このように自分で答えを隠して思い出そうとし、その後で正解を確認する行為を以後、自己テストと呼ぶ事とします。
手順④ 前日に学習した単語を自己テスト&新たな単語を学習
2日目以降は前日の復習と新たな学習を繰り返します。
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必ず自己テストを徹底し、素早く正解を思い出せるまで復習して下さい。
苦手だと感じる単語は星マークなどを横に書き、週末にそれらだけ重点的に復習するなども賢い手です。
手順⑤ 手順④を毎日繰り返す
そしてそれを毎日繰り返して下さい。
例えば1日に学習する単語を20と決めていた場合、前日の単語20個の自己テストと新たな単語20個の学習で合計40単語に取り組む事となります。
手順α 週に1回、その週に学習した単語を全て自己テスト
そして先述の分散効果を生かすため、間隔を空けて何度も復習をしましょう。
手順β 月に1回、その月に学習した単語を全て自己テスト
長期的な記憶とするためにはしっかりと時間をかけて、取り組んできた単語全てを見返す習慣が必要です。
英単語学習の罠である”リスト効果”に注意
リスト効果とは、英単語を学習している時の英単語の順番で覚えてしまう事です。
例えば、市販の英単語教材で赤シートを使って英単語を学習していたとします。
英単語の並び順が毎回同じため、「このページのこの単語の次は確かこの単語だな」という情報を無意識に覚えてしまい、それが不適切に記憶を補助してしまうというものです。
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しかし学んだ語彙を実際に生かすのはテストや会話といった本番環境であり、その際は単語がランダムな順番に登場します。
そのため、リスト効果によって無意識に「覚えた気」になっていたとしても、本番ではその知識を発揮できない場合があるのです。
人間は無意識に情報をパターン化して覚えてしまう事があるため、自分では気づきづらいというのも、リスト効果の怖い所です。
リスト効果を防ぐには?
リスト効果を防ぐには、ランダムな順番で英単語を学ぶ事です。
その方法は主に2つです。
②人に問題を出してもらう。
まず①ですが、自分で自由に単語帳のセットを作成できるアプリが多く存在します。
パソコンでもスマホでも使えるQuizletがおすすめ
例えばQuizletでは、自分オリジナルのデジタル単語帳を作成し、フラッシュカード機能を用いれば毎回ランダムな順番で単語を自己テストする事が出来ます。
↓ 英語を思い出せるか自己テストしタップして答えを確認
また、このアプリには、任意の単語に星マークを付ける事が出来るので、例えば思い出せなかった単語に星マークを付けて、2週目は星マークがついた苦手な単語に絞って復習する事も可能です。
もしくは人にランダムな順番で問題を出してもらう
次に②ですが、こちらは1人で語彙学習をするのが退屈だという方に向いています。
人に問題を出してもらうコミュニケーションベースの雰囲気を作り出すだけで、不思議と楽しく続けられる場合があります。
Quizletと両方行えばかなり効果的に学習を進められる可能性が高いです。
この英単語学習方法をどれくらい続ければ良いか?
どの程度の期間訓練すれば英語の語彙力が伸びるかどうかは、どの程度の英単語力を既にお持ちか、何単語覚えようとしているかによるので明確な答えはありません。
そこで、目指すべき語彙数をまず考えてみましょう。
英単語は何単語覚えれば良い?
あくまで参考程度ですが、外国語学習者が目指すべき語彙数は話し言葉を理解するために6,000語以上、書き言葉の場合は8000語以上となっています。
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つまり1日に3語以上を毎日覚えればネイティブと同じくらいのスピードで英単語を学んでいる事になります。
それを何年続ければ良い?
もしも1日に3単語を毎日続けたとしたら、1年で1,000単語と少しを覚える事が出来ます。
書き言葉を理解するための語彙数、つまりリーディングに必要な8,000語は8年かかるという事です。
もしももっと早く習得したい場合は、それに応じてスピードを上げる必要があります。
例えば、半年以内に8,000語を達成したい場合は1日に2,667語覚える必要があるのであまり現実的ではありません。
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ただ1つ言えるのは、英語力は、長年をかけてコツコツ培うか、短期であれば圧倒的な努力をしないと高いレベルには達さないという事です。
資格対策の場合は対策の単語帳を制覇せよ
一方で資格対策の場合にはその資格ごとに必要な単語が異なります。
その資格に対応した単語帳を使うと良いでしょう。
例えば以下のTOEFL対策の単語帳は3,800語です。
iBTでスコア90を目指している場合はリーディングで最低7~8割は取っておきたいので8割の単語を覚えると仮定します。
3,800語の8割である3,040語を、例えば半年以内に覚えるには1日16単語を新しく覚えれば良いという事になります。
これであれば、先ほどの1日に2,667語に比べて乗り越えられそうではないでしょうか?
英語学習に「いつまでに出来るようになる」の答えはない
しかし言語学習には他の教科とは比べられないほど適性や成長した環境、心理的要因が影響します。
そのため、同様の科学的な英語学習をしたとしても、全員が同時期に結果が出る訳ではありません。
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語学を志す者は誰もが通る道ですので、気持ちを強く持ち、「いかにゲーム感覚で楽しめるか」を大切に取り組んで下さいね。
もしも1人では集中できない、もっと詳しく学習戦略を知りたいという方は、下記の記事を読んでいただけると割引となりますので私の初回レッスンにてぜひご相談くださいませ。