単語帳アプリ分析基準18:拡張分散学習の仕組みを提供しているか?

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Taiga

英語講師 / 青学 英米文学科⇨立教 異コミュ研究科 / 研究分野: 外国語語彙習得 / TOEIC975・英検1級・TOEFL iBT 104

「拡張分散学習」は、徐々に間隔を広げて復習するスケジュールを指します。例えば、1週間、2週間、3週間といったように復習間隔を拡大していきます。一部の過去の研究では、拡張分散学習は等間隔で復習するスケジュール(例:1週間、1週間、1週間)よりも効果的であるとされてきました(Baddeley, 1997; Dobson, 2011; Siegel & Misselt, 1984)。

しかし、最近のメタ分析(Kim & Webb, 2022)では、等間隔の復習と拡張分散学習の間で学習成果に有意な差はないと報告されています。したがって、この研究では拡張分散学習を単語帳アプリの強みとは考えていません。一方で、中田(2011)の語彙学習プログラム9つに対する分析では、7つのプログラムが拡張分散学習をサポートしていることが示されています。これは、一部のアプリ開発者が誤って拡張分散学習が常に効果的であると信じているかもしれないことを示しています。この誤解を訂正または避けるために、各単語帳アプリが拡張分散学習を実施しているかを調べる事は有意義です。

元の記事:単語帳アプリおすすめランキングTOP6|違いや特徴を修士研究を元に発表