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ブロックサイズとは、学習者が1度に学習する語彙の数を指します。例えば、特定の単語帳セットに100語ある中で、1度の学習では10語だけ学習する場合、ブロックサイズは10となります。ブロックサイズを大きくすべきか小さくすべきかについては2つの対立する観点が存在します。
まず、ブロックサイズの効果は遅延効果に基づいて議論されます。遅延効果は、学習者がより大きな時間間隔を空けて学習すると記憶がより維持されることを示しています(Bahrick et al., 1993; Nakata et al., 2022; Nakata & Webb, 2016)。遅延効果に基づくと、ブロックサイズは大きい方が好ましいです。ブロックサイズが10であれば、学習者は同じ語彙に再び出会う前に9つの語彙に遭遇します。対照的に、ブロックサイズが100であれば、間隔中に99の語彙に遭遇し、記憶の保持がより良くなります。
2つ目に、検索練習で間違える事は誤った知識を生成する可能性があり、これが将来の検索練習に悪影響を及ぼす可能性があります(Marsh et al., 2007; Roediger & Marsh, 2005)。このため、ブロックサイズは小さくすべきで、学習者が長い間隔によって正解を忘れる前に同じ語彙に再び出会えるようにすべきです。
これらの不確実性から、単語帳アプリはブロックサイズを柔軟に設定できるようにすべきです。また、ブロックサイズが柔軟であれば「疲れた時は学習語彙を少なめに設定し、頑張れる時は多めにする」といった調整が可能になります。
一部の研究者は、学習はブロックサイズよりも学習間隔によってより大きな影響を受けると主張しています(Nakata & Webb, 2016)。しかし、Quizletのような一部のアプリでは、間隔はブロックサイズによって影響を受けます。したがって、ブロックサイズを調整できるか否かは有用な評価基準となります。