単語帳アプリ分析基準16:学習スケジュールを自動で調節する機能があるか?

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Taiga

英語講師 / 青学 英米文学科⇨立教 異コミュ研究科 / 研究分野: 外国語語彙習得 / TOEIC975・英検1級・TOEFL iBT 104

紙の単語帳とは異なり、デジタルの単語帳はアダプティブ・シークエンシングというシステムを提供できます。アダプティブ・シークエンシングとは、学習スケジュールを自動的に調整するアルゴリズムのことで、主に2つの利点があります。第1に、学習者が苦手な語彙に焦点を当てることができます。アプリは、学習者のパフォーマンスを監視したり、各語彙に対してどれだけ自信があるか学習者に尋ねることで、データを収集します。このデータに基づき、アプリは難易度の高い語彙を簡単なものより頻繁に提示します。

第2に、アダプティブ・シークエンシングは学習者が効果的な学習戦略を理解する助けになる可能性があります。これは、学習者が常に効果的な学習戦略を自覚しているわけではないため、役立ちます(Kornell, 2009; Nakata & Suzuki, 2019)。例えば、一部の学習者は自分が覚えるまで同じ語彙を連続して学習すべきだと誤解しているかもしれません。そういった学習者がアダプティブ・シークエンシング機能を持つ単語帳アプリを使用すると、アプリが学習者のパフォーマンスに合わせて語彙を混在させて提示していることに気づくかもしれません。これにより、間隔を置いて学習する方が間隔を置かない学習より効果的だということを理解し、アプリ内外で語彙学習をより効果的に進めることが可能になります。以上の2つの理由から、単語帳アプリはアダプティブ・シークエンシングを提供すべきだと言えます。

元の記事:単語帳アプリおすすめランキングTOP6|違いや特徴を修士研究を元に発表